2/11/2015

恐ろしい数字に対する雑感

昨日打合せの合間があり、ジム・クレイマーの新しい本が出たらしい (遅!!) との事で久しぶりに本屋に立ち寄りた (ry , いつもすみません>本屋さん

結構ブ厚くて面白そうだったが、結果買わずじまい。気が向いたら購入しようと思います。

しかし、ずらっと並んだ書棚を見渡してみると、「~は~しなさい」だとか、「~で億り人に」的な出版物が大量に並んでいますね。コネと文才があれば、ノーリスクで稼げるしある意味テーマ株的に便乗して、テキトーな内容で儲けれそうとか感じたり。更に「運用はOwn Riskで」の名の下にセミナーなんかしたりしてww


そんな事を思いながら、そんなフリーライド繋がりで、「バイブル」とまで評価されている原理の書がバージョンアップされたと見かけたので、どれどれとパラ見。その結果は..........




さて、そのままかな?

第7章「時間」が教える投資の魅力


収益率 ― その平均と変動幅 ― の計算に用いら入れる期間は、1年である。便宜的に広く用いられているこの12ヵ月という期間は、制約と目的がさまざまな投資家の用いる枠組みとしては必ずしも適切とは言えない。 |- 略 -| 本当に重要なのは、投資期間の違いである。

それがいかに重要かを示すために、1日の投資における普通株の期待収益率を例にとって、時間の効果を (†) 誇張してみよう。

段落、省略、文字装飾は当方判断による


先ず答えありき。どの期間から値を整えるのかという普通の事柄 (SD) から、長期こその雰囲気を作り出そうと意図的な独自理論 (SD→SE) とする素地がちらり。かなりのワルですね。


典型的な例として、ある銘柄の株価が40ドルで、1日の価格変動の範囲は39.25ドルから40.50ドルの間の1.25ドル、その日の平均価格の3.1%とする。過去10年における普通株の平均年間収益率はだいたい10%である。この株に投資したとすると、1日当たりの (平均) 期待収益率は0.04% |- 略 -|

この1日当たりの収益率0.04%と1日の変動幅3.1%を年率換算してみよう。年間平均期待収益率は10%となるが、その (‡) 収益率の変動幅は±387.5%といった恐ろしい数字となる


段落、省略、文字装飾は当方判断による


センセー、それじゃミンナ死んじゃいますよー。
だって、1年でそれでしょ?リスクの特盛りつゆだくじゃないですか。

もし理論的で正しい本ですと人に薦められ、ここ読んでたら今後その人の事を信用しないでしょうねww


そして、その独自理論より導かれし解は、

もちろん、良識ある投資家なら、1日、1ヵ月、あるいは1年でも普通株に投資するようなことはしない。これでは普通株に投資するにはあまりに短すぎる。なぜなら、予想される収益率の変動幅が先の例のように、平均期待収益率に比べて大きすぎるからである。

普通株の短期保有は不確実性が大きくその収益の大きさや安定性はバランスを欠いている。普通株の短期保有は投資ではなく、投機でしかない。


段落、省略、文字装飾は当方判断による


ふむふむ、相変わらずスゲェな。疑問山積。
  1. 短期の方が不確実性が大きいの?
  2. 保有期間が投資と投機を決めるの?

1. の疑問として、その示す意味がリスクとすれば気象予報の台風進路予想図の円を例えに書いている本もありましたね。不確実性という意味は言わずもがな。

2. の疑問として、エリス先生は指数原理主義者なので普通株 = 指数商品と変換した場合、30年後満期 (実質OTCしかないと思うが) 指数先物のバイ&長期ホールドは投資と言えるんですか?

----------

他諸々あり過ぎますが、1つの同感を得る為に、2つ以上の疑問を連れてくる怪書ぶりは健在でした。


にほんブログ村 投資ブログ 投資でFIREへ


(†)誇張はポジショントークとして五百万歩譲っても、USO教えちゃダメっしょ。
(‡) σ t ですね、0.5σtではなく。

2/10/2015

ハイリスクの分解も一興

いつも明快な文章で参考になるので、気が向いたときにまとめて読んでいます。(ホンネの投資教室)

そういいながら毎度斜めに見るようでアレですが、

アセットアロケーションを検討する


リスクの数字は10年から20年程度の過去データを元にして作られていて、リスク、相関係数ともやや保守的な方向に数字が丸められている。リスク値でいうと、国内株式が18%、外国株式が20%、外国債券が10%、国内債券は2%だ。相関係数は、国内債券と国内株式が0、国内株式と外国株式が0.7(かなり高めだ)、国内株式と外国債券が0.3、外国債券と外国株式は0.5、国内債券と外国債券は0.2、と想定されている(それ以外の相関は0)。分散投資のリスク削減効果に対して過大な期待をしていない点で、慎重なものだといえるだろう。


パラメータ次第で随分と景色が変わる事になります。「リターンは小さく、リスクは大きく」見込むとして、リーマン前のド楽観~昨年末で、19%強なので国内株式 (=Topix) が18%はやや甘い気がするのですが。


商品選択


国内株式はTOPIX連動型のETF(上場投資信託)がいい。前掲拙著では、資産規模と売買の活発さから、信託報酬(税抜きで0.11%)は僅かに最安でないが、野村アセットマネジメントが運用する「TOPIX連動型上場投資信託」(コード番号1306)を選んだ。このファンドでも、あるいは大和系の「ダイワ上場投信TOPIX」(1305)でもいいが、十分な資産残高と売買代金があって、信託報酬が0.088%(税抜き)で最安水準の、日興アセットマネジメントが運用する「上場インデックスファンドTOPIX」(1308)を選ぶことにする。


1にコスト、2にコスト、3,4が出来高、5にコストという事なので、これで仕方ないんでしょう。(日経平均とJPX400は実質アクティブなのでそもそも除外でしょうし)


--------

で、終わってもなので、ド素人なりにTopixはトピックスそのものが当然一番良いハズなのか無駄に一考。

先ず、カタマリを分解してリスクを抽出してみると、
(期間は、リーマン前のド楽観~昨年末)

ClassRisk

Core21.53%
Large20.62%
Mid17.96%
Small17.86%


リターンは目頭が熱くなるので伏せておきますが、日本の場合そこそこの期間、大きな企業がハイリスクで低リターンと経典通りではありません。何故そうなるのか?結構重要な気がします。

さて、これを基に考えますが、今後どうなのかViewはないのでリターン = ①抽出結果の通りと、②どれも等しく期待した場合の2パターンで、少なくとも全てのクラスを盛り込んだ形の最適化を。


Class
Weight
(Normal)
Weight
(Equal)
Mkt Cap
(Topix)
NoS
(Topix)

Core11%23%35%30
Large23%23%25%70
Mid29%26%30%402
Small36%28%10%1356


結果をみると、コア30を相当アンダーウエイトとの応答。リターンが全て等しいとしても12%はコア30を減らすがよろしとの事。それでもTopixの時価総額に占める割合から見ると、相当時価総額大きいところに集中していますね。

そこから、判断を持たず無意味に集中している気持ち悪さを感じるので、どうせハイリスクならばと近似的なイコール・ウエイトを構築してみると、

ClassWeight

Core2%
Large7%
Mid22%
Small73%


まぁまぁ凄いな。

これを用いて比較すると例えば、1億のリスク資産で国内株式 50%を占める時に、
  • Topixならば、

    トヨタを253万
    三菱UFJフィナンシャル・グループを127万
    ソフトバンクを91万
      ・
      ・
    Large組入れ銘柄は17万ぐらい?
    Mid組入れ銘柄は3万ぐらい?
    Small組入れ銘柄は3千以下ぐらい?



  • イコール・ウエイトもどきならば、

    トヨタを5万
    三菱UFJフィナンシャル・グループを2.5万
    ソフトバンクを1.8万
      ・
      ・
    Large組入れ銘柄は1~3万ぐらい?
    Mid組入れ銘柄は1~3万ぐらい?
    Small組入れ銘柄は1~3万ぐらい?

これでこそ、よく判らない物に銭を張る上での定石では?と思えたり。
だとして問題は、連動する商品がスプレッド含め、廉価なコストで普通に構築出来る状態かどうか。


にほんブログ村 投資ブログ 投資でFIREへ

2/09/2015

やるね、バンガード。さよなら、VT

ついにきましたね。

50本の米国籍バンガードETF™の新規取扱いを開始 ~ETF取扱い本数は計67本に~ | バンガード


2015年2月9日(東京)―世界最大級の投信会社ザ・バンガード・グループ・インクが運用し、NYSE アーカ取引所、およびNASDAQに上場する50本の米国籍ETFが、近日中に株式会社SBI証券、マネックス証券株式会社、楽天証券株式会社(50音順)等の各証券会社を通じて日本の個人投資家向けに販売が開始されます。


こうなるとMSCIコクサイなんぞ、旧石器時代のクールな運用先と言われそうですね。

個人的には、SBIの特定口座で環境が整うので (1,2年内にはそうなってほしい)、2013年からひたすらドルをドルコストしている分が、次の買い場で役立ちそうでなにより。


にほんブログ村 投資ブログ 投資でFIREへ